アイビーリーガー御用達のポロコート
英国の伝統的なスポーツである「ポロ」が現代のスタイル、特にメンズスタイルに与えた影響は少なくありません。
ポロセーター、チャッカブーツ、そしてブルックス ブラザーズのもっとも有名で象徴的なアイテムであるポロカラーボタンダウンシャツなどがそれにあたります。ポロコートもその影響を受けた代表的なアイテムのひとつではないでしょうか。
英国の伝統的なスポーツである「ポロ」が現代のスタイル、特にメンズスタイルに与えた影響は少なくありません。
ポロセーター、チャッカブーツ、そしてブルックス ブラザーズのもっとも有名で象徴的なアイテムであるポロカラーボタンダウンシャツなどがそれにあたります。ポロコートもその影響を受けた代表的なアイテムのひとつではないでしょうか。
メンズウェアの権威、ファッション評論家のブルース・ボイヤーが「トップコートの貴族」と呼ぶポロコートは、ダブルブレストのデザインで素材はキャメルヘアが使われています。このコートは、ポロ競技の選手たちが「チャッカー」と呼ばれる7分間の区切りの間に着ていたコートにルーツを持ち、もともとはローブに近いデザインで、選手たちはやや大きめのものを着用し、ベルトのみで締められ着られていました。
しかし1910年にブルックス ブラザーズがアメリカに紹介した頃には、デザインが進化し、ダブルブレストのディテールはそのままでもボタンを留めて着用する現在のようなデザインになっていました。「マーティンゲール」と呼ばれる背中のバックベルト、水牛のボタン、フラップが付いたポケットなど、これらのクラシックなデザイン、ディテールは現在のポロコートにも引き継がれています。
実はブルックス ブラザーズで作られた最初のポロコートは、クリーム色の生地で仕立てられ、貝ボタンが使われていました。その後、グレーやキャメルヘアの生地が用いられるようになり、1920年代に入るとアイビーリーグの学生たちの間で人気が沸騰、ワードローブの定番としてポロコートが好んで着用されるようになりました。
1930年代に入ると、男性以上に女性がこのコートに魅了されました。ミスポーターズスクールの女生徒や、スミス大学やラドクリフ大学といった名門女子大学の生徒たちに好まれ、彼女たちはブルックス ブラザーズのボーイズ売り場に殺到し、このコートを求めました。
このように、ポロコートはブルックス ブラザーズの歴史でも、紳士淑女のワードローブを語る上でも、重要で、しかもアイコン的なアイテムです。