伝統と革新の志を体現した画期的なシャツが、1953年に登場
アメリカの作家、メアリー・マッカシーは、1941年、大陸横断鉄道でのロマンスを描いた短編『ブルックス ブラザーズのシャツを着た男』を著し、注目を集めました。12年後の1953年、ブルックス ブラザーズは画期的なシャツを生み出しました。
1950年代といえば、アメリカが繁栄を謳歌した時代です。テレビ、大型家電製品、フルサイズのクルマが家庭に持ち込まれ、冷凍食品が「未来の食品」としてもてはやされ、主婦の仕事も簡易化しました。あらゆる面で“便利さ”を求めはじめた時代だったのです。そんな1950年代にブルックス ブラザーズが発表したのが、紳士の嗜みはそのままに、アイロンの出番をなくした「ノンアイロン ドレスシャツ」です。
当時社長を務めたジョン・C・ウッドは「このシャツは夜手洗いしてそのままハンガーに吊るしておけば、翌朝にはシワも残らずすっかり乾いて、すぐに着ていけるのです」と語りました。
1950年代、こうしたイージーケアのシャツは他からも販売されていましたが、自然な風合い、吸湿性、速乾性、家庭での洗濯でもほとんどシワにならないという機能性と、紳士の身嗜みにふさわしいスタイリッシュさ、そのすべてを満たしたのはブルックス ブラザーズのシャツが初めてでした。
当初、このシャツはコットンとポリエステル混紡の“ウォッシュ・アンド・ウェア”として発売されましたが、その後技術革新によりコットン100%の天然素材でつくられた「ノンアイロン ドレスシャツ」も登場。そして現在ではひときわ優れた強さと柔らかさを合わせ持ったスーピマコットンを使用したもの、ストレッチ性を加えたもの、さらにメンズだけでなく、ウィメンズやキッズの「ノンアイロンシャツ」もラインナップされています。
「ノンアイロン ドレスシャツ」は出張の多いお客さまのニーズに応えたものですが、いつもほとんどシワのない状態で着られる革新的なシャツとして今も進化を続け、多くの方から支持されています。