NAVY BLAZER
ネイビーブレザー
清潔感と精悍さと普遍性が宿る、ネイビーブレザー
ブレザーの起源にはいくつかの説が伝えられています。そのなかでも水と深く結びつきのある、代表的な説を紹介しましょう。
最初の説は英国の海軍を起源とする話です。それは1800年代半ば、まだ英国海軍がブレザーを正式な制服として採用する前の話です。1837年、ヴィクトリア女王が英国軍艦ブレザー号を訪問する際に、艦長が部下の見栄えをよくしようと、ネイビーブルーのジャケットに、英国海軍を象徴する真鍮のボタンを即席で替えて着用させました。このスタイルをいたく気に入ったヴィクトリア女王は、他の軍艦でもこのジャケットを制服として採用することを提案しました。ブレザーの名前はこの時の軍艦名に由来するという説があります。
もうひとつの話は、英国のケンブリッジ大学セントジョンズカレッジのボートクラブの選手たちが着用していたジャケットにたどり着きます。彼らが着ていたジャケットは現代のスポーツジャージの前身的存在で、レガッタレースで競い合うクラブの選手を特定するためにユニフォームとして着られていました。いまでは「ローイングブレザー」と呼ばれるジャケットで、目を引くような色やストライプの素材を使い、コントラストの効いたトリムが特徴的でした。
1877年、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学で競ったボートレースで、ケンブリッジ大学セントジョンズカレッジの選手が一斉に投げたユニフォームが真紅のものでした。間近にそれを見た観客たちが「おお、ブレイズ(=炎)」と歓声をあげたことから、ブレザーという言葉が生まれたそう。これもファッション業界では有名な話です。
いずれにしても、1930年代になるとブレザーは英国からアメリカにも伝わり、ブルックス ブラザーズでもライナップに加えられ、大きな流行になり、今でも多くの人に愛されています。
深みのあるネイビーブルーで、洗練された佇まいのジャケット(ブレザー)は、アクセントとしてしばしば輝く真鍮のボタンが施され、紳士のワードローブの定番的なアイテムへと成長しました。スタイリッシュさと多様性を兼ね備えた永遠のアイテムとも言えます。ウールのトラウザーズと組み合わせれば、伝統を感じさせる仕事着に。チノパンツとボタンダウンシャツをコーディネートすれば、アメリカンスタイルを象徴するカジュアルな装いに。白シャツとジーンズならば、リラックスしたブレザースタイルを満喫できます。
老若男女が楽しめ、ビジネスからスポーツシーンまで、あらゆるシーン、さまざまな着こなしで活用できるブレザーは、ポロカラーシャツやレップタイと同様に、ブルックス ブラザーズのスタイルを象徴するアイテムです。