PINK SHIRT
ピンクのポロカラーシャツ
1949年、女性を虜にしたピンクのポロカラーシャツ
繁栄を謳歌する1940年代末のアメリカで、大きな関心を集めたのはピンクのポロカラーシャツでした。遡ること10年、小説『ブルックス ブラザーズのシャツを着た男』(メアリー・マッカーシー著)に描かれたこのシャツは多くの男性を魅了しましたが、10年後にはピンクのポロカラーシャツが女性をも虜にしたのです。
いくら在庫があっても足りない状況で、ブルックス ブラザーズのショップの棚からは最小サイズのピンクのポロカラーシャツが消えました。需要に追いつくため、オリジナルを尊重しながらも、女性のためだけにデザインされたポロカラーシャツが新たに作られました。そしてこのシャツは1949年、ファッション誌『ヴォーグ』8月号で特集されましたが、すぐに売り切れになるほどの人気でした。
1800年代後半に女性向けの衣料を扱っていた時期もありますが、当時は、ブルックス ブラザーズはメンズ向けの製品だけを販売していました。ショートパンツからポロカラーシャツまで、多くの女性は兄弟やボーイフレンドから借りなければブルックス ブラザーズを着ることはできなかったのです。
それでも女性たちがブルックス ブラザーズの製品を身に着けたのは、当時女性たちが手にすることができたどんなアイテムよりも、ブルックス ブラザーズのメンズウエアは上質で仕立てがよかったからです。
この時期、ブルックス ブラザーズが女性向けに作っていたのは、ピンクのポロカラーシャツだけでしたが、1976年からはウィメンズのフルコレクションの展開を始めました。
アイテムも年を重ねるとともに拡大していき、時代とともにデザインも進化を続け現在に至ります。しかしながらブルックス ブラザーズのウィメンズコレクションにとって、ピンクのポロカラーシャツはアイコン的なアイテムです。
女性のためにデザインされたピンクのポロカラーシャツが今もアメリカの自社工場をはじめとしたブルックス ブラザーズの工場で作られ、多くの女性に愛用されています。