春の陽気にマッチしたベージュのセットアップは、「T／Cポプリン」というファブリックを採用した一着。1960年代のアメリカで流行したコットン＆ポリエステル素材で、ウールなどのビジネススーツとはひと味違った洒脱さが魅力。ネクタイを締めてドレスアップすれば、凛々しさのなかにも軽やかさが漂う装いに。シャツも白ではなくベージュ系を選び、ベルトと靴はブラウンを合わせるなど、全体を同系色で統一したのが着こなしのポイントです。

ベージュのスーツは初めて着ましたけれど、すごく新鮮で気に入りました。以前買い物をしていたときに“高根さんは茶系が似合いますよ”と言われたことがあったのですが、今日この一着を着てなるほどと合点がいきましたね。家族の誕生日でディナーに行くときとかにちょうどよさそう。こういう大人な服装も、これからは取り入れていきたいですね。

「ピンクのシャツにスカーフ、サングラス。どれも普段身に着けないので、ちょっと照れてしまいますね」と本人は謙遜しますが、驚くほど板についた着こなし。色柄アイテムをナチュラルに着こなす海外ジェントルマンさながらの佇まいです。トラッドのアイコンであるベージュのハリントンジャケットに、内山さんのマイ定番でもあるチノパン。合わせたシャツは、ブルックス ブラザーズの代名詞といえる「ポロカラーシャツ」です。いずれも至極ベーシックなアイテムで固めつつ、色使いで新鮮さを表現しているのがスタイリングのキモ。スカーフもカジュアルなバンダナ柄を選んで、気取りすぎない印象に仕上げています。

ベージュのパンツにベージュのブルゾンを合わせるという発想は今までなかったですね。同じ色でまとめると統一感が出ますし、春らしい印象にもなるんだなと思いました。ベーシックでも、色合わせひとつでかなり雰囲気が変わるんですね。これは発見でした。

「普段ジャケットはあまり着ないので、気が引き締まる感じがしますね」と櫻井さん。着用しているのは、リネン60%＋ウール40%の素材を採用したアンコン仕様のストライプジャケットです。リネンならではのナチュラルな風合いとシアサッカーを思わせる青白の縞柄により、上品でありながらリラックスした印象も漂うのが魅力。インナーもカジュアルなシャンブレー調のポロカラーシャツを合わせつつ、パンツはグレースラックスを選んでドレッシーなアクセントも加えました。

ブルックス ブラザーズ＝シャツというのが自分のイメージだったのですが、トータルスタイルもいいですね。コンサバティブなビジネスマンだけでなく、僕のようなパーソナリティの人間にもマッチする懐の深さに改めて惹かれました。